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技術力向上と難易度認識の乖離


2017年06月30日

「早く出来たんだから簡単なんでしょ?」
「短時間作業なのになんでこんなにお金かかるの?」

エンジニアに限らず、いろんな職種の立場でこういう経験をした事があると思います。
なぜ、こういう経験がある人は多いはずなのにこんな認識が減らないのか?

少し考えてみようと思います。

技術向上や改善をするとどうなるか

色々ありますが、今まで難しかった事ができるようになったり、効率よく業務を遂行できるようになると思います。
本来であれば、効率よく行うことで今まで掛かって時間が短縮されればその分が利益に繋がるわけです。

しかし、実際には「実は簡単なんだね」と認識されてしまうことがある。
これはなぜなのか。

評価する内容が自分にとって未知の領域である

なぜ、冒頭の結果になるのか…。
ミクロで考えた場合には、こう考えられるのではないかと思っています。

つまり、相手が実行した内容は自分にとって「未知の領域」であり、難易度などは分からないので何を基準に評価するかと言えば「掛かった時間」が判断基準となっている。
そうすると、「早く終わる = 簡単な仕事」という認識になってしまう。

これは、同業者や同僚でも起こる現象なので、発注側の理解が足りないとかそういった批判ではありません。
要はどうやって処理したのかはブラックボックスなので計り知ることが困難だという事です。

結果、熟練度によって価値が反比例する

「時間」が基準になってしまうと、「短時間で終わらせられる技術力が高い人」は価値が低くなり、「長時間掛かる技術力が高くない人」は高くなってしまう。

仮に100個の処理を行う場合に下記の時間で終了したとします。

  • 技術高い:60分で100個の処理を終了(1分当たり約1.666個)
  • 技術低い:100分で100個の処理を終了(1分当たり1個)

この場合は、どっちが優秀かはっきり分かります。
しかし、大抵の場合はそもそも100個処理するかどうかを発注側が分かってないので、下記の認識になります。

  • A:60分の作業時間
  • B:100分の作業時間

最初の前提である100個などの情報を抜きに単純比較した場合は、Aは60分だけ作業をしたという風に見えませんか?
この場合、Aは早く終わる量だったと推測しませんか?

技術力に相場は付けられない

技術力というのは適正な相場そのものが存在しないため、発注側も受注側も判断し辛いというマクロの問題もあります。

なぜ受注側もかというと、仮に安い価格だったとしてもワークフローとして技術を駆使していた場合は金額に見合った結果にするということが困難なのです。

本来はピカソの30秒逸話(※)のように自分の技術力を使って目的を達成したいならこれくらいの金額が必要だとなればいいのですが、個人との取引ならあるいは可能かもしれないが、組織に属していると難しいという悲しい現実。

それでも、エンジニアだろうがマネージャーだろうが事務だろうが技術力のある人が報われる世の中になって欲しいと願ってます。

少なくとも外注する際には「金額は安く、要求は高い」とならないようにしたいですね。

※ピカソの話

あるファンがピカソを街で見かけ、絵を書いてほしいと頼みピカソは30秒で絵を書いて上げました。
手渡す際に「100万ドルです」と言われ、ファンは「30秒で書いた絵がなんでそんな高額なんですか?」とビックリするとピカソは「この絵は30年と30秒という時間が掛かってるんですよ」と話したとか。

何が言いたいかというと、自己投資と技術の研鑽を積み重ねた結果30秒で描けただけで、描くのに掛かった時間で価値が決まるんじゃないんだよという話。

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